ブラックリスト:アラン・フィッチについて知っておくべき7つのポイント

** ネタバレを含みますのでご注意ください **
このブログでは、『ブラックリスト』に登場する英語フレーズの解説、詳しいあらすじ、次回エピソードのあらすじ推測を紹介しています。
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キーパーソン、アラン・フィッチ
今日は、アラン・フィッチ(アラン・アルダ)を取り上げます。
アランは5つのエピソードに登場しています。ところが伏線が多く、アランとレッド(ジェームズ・スペイダー)のからみが複雑で・・・。
アランを中心に、時系列でまとめまたいと思います。
フィッチを演じたアラン・アルダについては、アラン・アルダのすべてをどうぞ!
1)表の顔と裏の顔
アラン・フィッチは、国家情報副長官(Assistant Director of National Intelligence)です。
国家情報長官(アランは副長官)は、合衆国のインテリジェンス(諜報組織)の頂点に立つ役職です。かつてはCIAがその権力を握っていましたが、2001年の9.11を契機にCIAの弱体化(官僚主義、派閥、腐敗など)が明るみに出たため、2004年をもって、そのトップの座は国家情報長官へと移りました。
余談ですが、国家情報長官の設置を契機に、PDB(大統領へのブリーフィング)は、CIAではなく国家情報長官とそのスタッフが担当することになります。このブリーフィングに関するドラマが『ザ・ブック/CIA大統領特別情報官』(原題:State of Affairs)です。ドラマではCIAがブリーフィングを担当しているので、2004年より前を想定、ということになりますね。
国家情報長官は、大統領に近い立場でCIAを監督します。しかも、CIAだけでなく、国防総省、司法省、国土安全保障省などの重要な組織を統轄し、しかも予算編成の権限も持っています(ただし、各省庁は縄張り意識が強いので、実際の指揮権については未知数)。
いずれにしてもアランは副長官ですから、アメリカ諜報組織で絶大な権力を握っていることは間違いありません。
一方アランは、秘密結社(Cabal)の幹部という裏の顔を持っています。 この結社とレッドは、敵対関係にあります。レッドは彼らの秘密を握っているとされ、その秘密を決して公開しないという「約束」によって均衡が保たれています。その「秘密」こそが、フルクラムです。
アランにはマーガレットという妻がいて、死亡当時、結婚51周年でした。
2)アランとレッドの出会いは20年前
シーズン1第10話「アンズロ・ギャリック(後編)」(Anslo Garrick Conclusion)から。
アンズロ・ギャリックが「郵便局」(FBIの秘密基地。古い郵便局を利用)を攻撃し、壊滅的な打撃を与えます。そして、ギャリックによって散々痛めつけられたレッドの前に、アランが現れます。
やぁレイ、あれからもう20年かな
(レッドのことを「レイ」と呼ぶのはこの人だけかな?)
レッドが「約束」を破ったと心配したアランは、真相を確かめに来たのでした。「いつでも殺せたのに生かしておいた。それは、君が約束を守ると信じていたからだ。しかし、君がFBIに投降したことで、全く状況は変わってしまった。FBIに何を話したのだ?」と迫るアラン。
しかしレッドは、「FBIに投降したのは、君には関係ない理由だ」と言い、アランはこれを信じます。
君は悩みの種だが、君のことは気に入ってるんだよ。
(pain in the neck についてはいつか記事にします~!)
そしてアランは、「FBIの秘密基地からわざわざ君を引きずり出したのは、我々からは決して逃げられないということを思い知らせるためだ」といい、去って行きます。
ギャリックに「郵便局」を攻撃するよう仕向けたのは、アランだったのでした。
3)レッドは邪魔だが殺せない
シーズン1第11話「善きサマリア人」(The Good Samaritan)から。
ファウラー(FBIの偉い人、女性)は、アランを含む政府上層部数名に、「郵便局」襲撃について報告します。ギャリックがFBIの秘密基地の内部を完全に把握していたことから、情報を漏らした「内通者」の存在が大問題になっています。もちろん、内通者はアランですよね。
「暗殺計画は失敗、情報源(つまりレッド)は無事よ」と告げるファウラーに対して、アランが「内通者の名前を教えろ」と迫ります。ファウラーは「機密だから教えられない」とつっぱねますが、「君の「情報源」こそが国家の脅威であり、暗殺するべきじゃないか?」と言います。
以上、「郵便局」襲撃事件の真相をまとめると・・・。 アランは、レッドに恨みを持っている者の中からギャリックを特定し、「郵便局」の情報を提供してレッドを攻撃させます。さらに、ニュートン(レッドが投降するときにカバンを持っていた人、レッドの手下)まで取り込んでいたのでした(ニュートンはレッドに始末されます)。
一方で、何食わぬ顔でファウラーに「レッドを暗殺すべき」と、国家情報副長官の意向として伝えたわけですね。
4)秘密結社の中で絶対的な発言権を持っている、とはいえない
シーズン1第20話「キングメイカー」(The Kingmaker)から。
アランが食事しているレストランに、突然レッドが現れます。
「しばらく攻撃を受けているし、商売にも影響が出ている」と助けを求めるレッドにアランは、「君とは共存はしているが友人ではない」とつっぱねます。これに対するレッドの台詞。
脅しに来てるわけじゃない、協力の道を探っているのだ。
これを受けて、アランは秘密結社のメンバーに招集をかけ、「レッドと協力するかどうか」を討議します。
アランは、「レッドは攻撃され切羽詰まっているが、彼が危険にさらされれば、「秘密」(フルクラム)も危険にさらされることになる」と、現状維持を目的にレッドへの協力を提案しますが、メンバーは協力を拒否します。
アランはレッドに、「多数決の結果、協力できない」と告げます。「秘密が世に出てもいいのか」というレッドに、「秘密を握っているというのは君のはったりかもしれないというメンバーもいる」と。
そしてレッドは、「君のことは二度と助けない。私が最後に勝利する」と言い捨てますが、レッドはかなり窮地に追い込まれています。
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5)レッドやベルリンを巧妙に利用する
シーズン1第22話「ベルリン(後編)」(Berlin Conclusion)から。
FBIに捕まって拘束されているレッドのもとに、「Hello Ray!」とアラン登場。
アランは、正体不明の飛行機(ベルリンが搭乗)の情報を得るためにレッドに会いに来たのでした。「君が言っていた「攻撃者」と関係があるのか?」とたずねるアラン。
「君を閉じ込めておいても得はない、結社の決定は間違えだった」とアランは言い、移送をアレンジしてやるからチャンスをみて逃げるようにほのめします。「君はいつも生き延びるが、今回はどうだろう。Good luck, Ray」と言って去ります。
つまり、「逃がしてやるから、邪魔者を始末しろよ」ということですね(そして、その通りになる)。
ベルリンの情報(本名、元KGBなど)を突き止めたレッドはアランに報告。
「正体はわかったが、君は何をしてこんなに怒らせたんだ?」というアラン。「わからない」というレッド。「衛星でベルリンの居所を教えてくれ。後は私がやる」と、レッドは去ります。
6)自分が蒔いた種で命を落とす
シーズン2第8話「デカブリスト」(The Decembrist)から。
レッドは、殺されたとされるベルリンの娘(ゾーイ)を探し出します。
一方、「ベルリンの娘を殺した」とレッドに吹き込んだのはアランだということがとうとうバレてしまい、ベルリンはアランの首に爆弾を装着。
いつ爆発するかもわからないわずかな残り時間に、アランはレッドに次の情報を提供します。
- 彼の死を契機に、秘密結社のメンバーはレッドに攻撃を仕掛けてくるだろう。
実はレッドはフルクラムを持っていないのではないか、と疑っているメンバーもいる。 - メンバーのうち2人は説得できるかもしれないが、他の説得は不可能だろう。
- 秘密結社は2017年になんらかの行動を起こす計画をしている。
- セントピーターズバーグの2階に金庫がある。
-
7)今後の展開予測
フルクラムは、リズが持っていたウサギのぬいぐるみの中に隠されていました。リズからレッドの手に渡るでしょう。
となれば、秘密結社にとってレッドは深刻な脅威です。もうはったりではありません。
これから次のポイントが鍵になるのではないでしょうか。
1)説得可能かもしれない2人のメンバー
2)金庫の中にあった電話番号の主
3)2017年の計画
アラン・フィッチの行動をみると、レッドを陥れたり助けたり、とどっちつかずですが、すべて保身のため。しかし、厳しい政治の世界を生き抜くには仕方なかったのかもしれませんね。
アランはレッドに一目置いていますし、人間として好きだったのではないでしょうか。
そして、何も知らない妻には良き夫だったのだろうなぁ・・・と。ご冥福をお祈りします。
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