ブラックリストシーズン3に向けた仮説:「レッド」と「レイモンド・レディントン」は別人?

アメリカの「ブラックリストファンサイト」で、またまたこんな記事を見つけました。
「本物のレイモンド・レディントンさん、お立ちください」(Will The Real Raymond Reddington Please Stand Up?:英語サイト)
サイトの運営者であるSusanne Pattersonさんは、「ジェームズ・スペイダー演じる「レッド」と、犯罪コンシェルジェである「レイモンド・レディントン」は別人なのではないか?」というセオリーを展開しています。
大胆な仮説です!
つじつまが合わない部分もあるけど、「なるほど!」と思う部分もあったので翻訳してみました。
*** ネタバレの内容を含みますのでご注意ください ***
このブログでは、『ブラックリスト』に登場する英語フレーズの解説、詳しいあらすじ、次回エピソードのあらすじ推測を紹介しています。
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(Photo: NBC)
仮説:「レッド」と「レイモンド・レディントン」
この記事には、「レッド」と「レイモンド・レディントン」が登場します。
「レッド」とは「ブラックリスト」で私たちが愛してやまない「レッド」を指します。ジェームズ・スペイダー演じるレッドですね。
「レイモンド・レディントン」とは「犯罪コンシェルジェ」として指名手配されている「レイモンド・レディントン」です。
以下、記事を翻訳します。
このセオリーの要点
「ブラックリスト」でジェームズ・スペイダーが演じ、ファンが大好きなのは「本当のレイモンド・レディントン」ではない。
幼いリズが撃ったのは、犯罪コンシェルジェである「レイモンド・レディントン」だった。そしてそのアイデンティティを「レッド」が引き継いだのだ。
レッドがリズの生物学的な父親である可能性はあり、レッドはFBIのエージェントだった可能性もある。
レッドは、FBIエージェントとして20年あまりにわたって潜入捜査に携わり、秘密結社の追跡と打倒に向けて働いていたのだ。
では、上記のセオリーを実証していこう。
FBIはレッドの「古巣」
古巣に戻るって、良いものでしょう?(It must be good to be home, sir)
これは、シーズン1第1話に登場したミスター・グレイ(ニュートン・フィリップ)がレッドに言った台詞だ。
ドラマの冒頭に、視聴者の注意を惹きつけるための台詞ではあるが、よくよく考えてみると、これは重要なポイントなのではないだろうか。
第1話のスクリプトは過小評価できない
一般的にドラマというものは、ストーリーが展開していくうちに、第1話のスクリプトから大きく外れてしまうことが多々ある。
もちろん、「ブラックリスト」にもそういった部分はあるだろう。
しかし、脚本を担当するジョン・ボーケンキャンプ氏(脚本家に15の質問)によれば、「ブラックリストのナゾの部分と結末に変更はない」という。したがって、その後のストーリーの展開を第1話のスクリプトをベースに考えることができるだろう。
ジョン・ボーケンキャンプ氏が書いたシーズン1第1話のオリジナルスクリプトから抜粋する。
レッドが車から降りる。彼は、威圧的なコンクリートの建物の影に立っている。彼は上を見上げ、「ジョン・エドガー・フーバー・ビルディング」(FBIの初代長官)という刻印を見て嬉しそうな表情をする。レッドは建物のロビーへと進む。彼は以前ここに来たことがある。彼はここの人間なのだ。
「彼はここの人間なのだ(He belongs here:ここで働いている、所属する)」とは?
レイモンド・レディントンが海兵隊に所属し、海兵隊の諜報部員だったというエピソードは何度か登場している。
しかし、海軍はFBIの内部組織ではない。海兵隊員ならば、FBIは「古巣」ではないはずだ。
さらに、レッドが海に行ったこともなければ海軍にも所属していなかったと結論付ける理由がある。
シーズン3でレッドはリズに、「船に乗ったことがない」と言っているのだ。
シーズン1第20話「キングメイカー」
これに対してニコ・デマキスは、「え?海兵隊では?」という。
以上から考えると、レッドが海兵隊にいた可能性は低いだろう。
整形手術をほのめかすレッド
レッドとリズがアンドリュー・ダイス・クレイ医師を尋ねたエピソードがある。
このエピソードでレッドは、この医師の手術を受けたと言っている。どの程度の手術なのかは不明だが。
レスラーが言う特徴にレッドは合致しない
シーズン1の第1話で、レスラーが「レイモンド・レディントン」のプロファイルを語る場面がある。
1990年のクリスマスの日、レディントンは、妻と娘が待つ家に帰宅しなかった。
完全に姿を消してから4年後、機密文書がアラブ、イスラマバード、北京でリークされ、そのリーク元がレディントンだったことが判明する。
彼は犯罪者の仲介をする違法な会社を組織していた。愛国心や政治的思想はなく、冷酷で、金のためだけに動く。犯罪者コンシェルジェだ。
レッドとは違う!
レッドは、忠誠心を非常に重視する男だ。
実際、レッドはリズ、ミスター・キャプラン、デンベ、さらにグレンなどに対しても非常に忠実だ。
つまり、「忠誠心は何より勝る」という考えの持ち主なのだ。
レスラーが並べたプロファイルはレッドの特徴とは一致しない。
つまりこのプロファイルは、「レイモンド・レディントン」のプロファイルなのだろう。
「レイモンド・レディントン」に傷はない
FBIにあったレイモンド・レディントンのポスターだが、「傷」の部分に「なし」(None known)とある。
レッドの背中にやけどの跡があることについては、皆さんご存知だろう。
レッドはリズの父親が誰なのか絶対に言わない
レッドはリズに、「君が生物学的な父親が誰なのかを知った場合、危険に陥ることになる」ということを何度となく言っている。
なぜか。
リズが本当の父親の正体を知った場合、レッドのミッションが不利になり、秘密結社に利用されてしまうからだ。
真実を知っている可能性があるトム
ボクは君の味方だ。
レッドは君が思っているような人間じゃない。
ナオミ・ハイランドが結婚していた相手は「レイモンド・レディントン」
恐らく、ナオミ・ハイランドが結婚していた相手は「レイモンド・レディントン」なのだろう。
2人の娘がジェニファーだ。
ナオミとジェニファーには、FBIの証人保護プログラムが適用されていた。もしレッドがFBIのエージェントであれば、「レイモンド・レディントン」の家族を保護する任務にあたった可能性がある。
ベルリンがナオミを探しだそうとしていたことを知ったレッドは非常に不安になったわけだが、その理由も説明がつく。
リズとナオミの会話
この会話は不思議な内容であり、このセオリーには必ずしも当てはまらない部分もあるが、別の見方をすることもできる。
つまり、ナオミはレッドではなく「レイモンド・レディントン」の話をしていたとしたら?
おそらくナオミとレッドは、「リズには真実を言わない」という取引をしていたのだろう。
では、ナオミは、どのような方法でリズから真実を隠したのか?
ナオミは真実を隠すために、「レイモンド・レディントン」の話をしたのだ。
つまり、「もしレッドがレイモンド・レディントンならば何をしたか」という想定で話をしたのだ。
そしてナオミは最後にこう言う。
彼は、あなたが考えているような人間じゃないわ(He’s not who you think he is)。
これは唯一、ナオミがレッドについて話した内容だろう(つまり、この he とはレッド)。
「あなたは私の父親なの?」
リズがこう聞いたときのレッドの表情を憶えているだろうか。
「違う」と言いながら、表情から葛藤が見て取れる。
レッドは「そうだ」と言いたかったのだが、そうなればすべて台無しになってしまう。だから言えなかったのだ。
では、「父親ではない」というのはレッドのウソなのか。
現在彼は「レイモンド・レディントン」というアイデンティティを持ち、「レイモンド・レディントン」はリズの父親ではないわけだから、完全なウソではない。
レッドが父親である可能性はあるわけだ。
結論は?
いろいろな解釈ができるだろう。
いろんなことが絡み合っていて本当にややこしくなりそうだ。
だからこそ、大人気のドラマなのだが。
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ちょっとした感想
おぉ、面白い視点ですよね。
私は、「リズの父親説」を完全否定していたけど、リズの母親(カタリーナ・ロストヴァ)に対するレッドの愛情は、「旧友」を超えている気がします。
確かにトムは「父親は生きてる」と言ってましたね。
しかも、トムは死を覚悟した場面だったので、ウソは言わないだろうし。
私がリズなら、レッドが飲んだコップをこっそりラボに持っていってDNA鑑定してもらうわ。
まぁ、すぐにレッドにばれちゃって、FBI内のレッドの協力者がすり替えて「父親じゃなかった」って結果になるんだろうけど。
「ブラックリスト」はシーズン4の制作も決定しているし、その後もシーズンは続くと思います。この部分はドラマの核心なのですぐには明らかにならないだろうけど、こういう視点で観てみるのもおもしろいですね!
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