SCORPION/スコーピオン、シーズン1第5話の詳しいあらすじ「過去との決別」(Plutonium Is Forever)

*** ネタバレの内容を含みますのでご注意ください ***
このブログでは、『SCORPION/スコーピオン』に登場する英語フレーズの解説や詳しいあらすじを紹介しています。
関連記事やほかのエピソードの記事もご覧ください!
シーズン1の記事一覧は、こちらから
シーズン1第5話「過去との決別」(Plutonium Is Forever)シリーズ通算5
モンテロ原子力発電所に不法侵入者
ロサンジェルス郡、モンテロ原子力発電所の東1.6キロ地点。
コンパスを片手にメガネの男が歩いている。リュックを背負い、汗だくだ。
立ち止まり、ストップウォッチを取り出して作動させる。
30秒で、狙撃兵を乗せたヘリと陸軍車両2台がかけつけた。
男は両手を挙げてひざまずく。そして、「ウォルター・オブライアンに会わせろ!」と叫んだ。
この男、マーク・コリンズは不法侵入で逮捕された。
スコーピオンのガレージ
ラルフ(ライリーB.スミス)が登校前にガレージにいる。どうやら日課になっているようだ。
ガレージでは、スコーピオンのメンバーが思い思いのことをしている。
「早く学校に行きなさい」というペイジ・ディニーン(キャサリン・マクフィー)だが、トビー・カーティス(エディ・ケイ・トーマス)にトランプで遊んでもらって上機嫌なラルフ。
その様子を見てウォルター・オブライエン(エリス・ガベル)は、「ラルフにはここが合ってるんだ」という。
トビーはハッピー・クイン(ジェイディン・ウォン)にトランプを差し出し、「当たったら20ドルくれ」という。
ところが、「元婚約者に拒絶されてトランプで失敗し、すっからかんなのね」とハッピーはお見通しだ。
そこに、ケイブ・ガロ(ロバート・パトリック)捜査官が入ってくる。「ウォルター来い、君だけでいい」と、ウォルターを連れ出す。
コリンズの目的
ケイブは、ウォルターをフォート・ダニエルズ軍事基地に連れて来た。
原子力発電所から8キロの位置にあるこの基地に、不法侵入した「マーク・コリンズ」が拘束されている。
マークは「ウォルターに会わせろ」と言っているらしい。
誰なんだ?と聞くケイブに、「昔一緒に働いてた仲間だ」と答えるウォルター。
2人はコリンズがいる部屋に通される。
ウォルターを見て、「782、君と最後に会ってからの日数だ」というコリンズは、IQ190の天才だ。
コリンズは、ほとんどの電波を傍受するハッカーであり、知事のウイルス事件の通信を傍受してウォルターにたどりついたのだ。
コリンズは、「やばい問題が起こってる」という。
無線を傍受していた過程で、重大な問題が発生していることがわかったらしい。
モンテロ原子力発電所に関連しているようだが、この原発は閉鎖されており、解体される予定だった。現在、冷却モードで稼働している。
詳細を教えろ、といっても、コリンズは数字を羅列するだけだ。
さすがのウォルターも、数字の羅列が日付や無線周波数であることはわかっても、詳細はわからない。
「彼の家に行ってノートを見なければ」という。
コリンズの家
コリンズの家にチームが集まる。
チームには、今回の仕事がコリンズがらみだと知らされていない。コリンズがメンバーだったころ、確執があったからだ。
庭には巨大なアンテナが設置されており、家の中は録音データが整然と整理されていた。
それを見て、チームはそこがコリンズの家だと悟った。
コリンズが言った数字の羅列から、3月25日6:32のデータだと確信したウォルター。
通話を再生すると、「SCADAを更新しないと大変なことになる」と聞こえた。
SCADAとは原発の制御プログラムだ。このプログラムに異常が発生すると温度が調整不能になり、メルトダウンへとつながる恐れがある。
実際コリンズは原発周囲のデータも収集していて、海水温度や放射能レベルが上昇していることを突き止めていたようだ。
古いシステムのアップグレード
チームはモンテロ原子炉へと向かう。
(Photo: IMDb)
SCADAは80年代後半から炉心温度を制御しているシステムであり、本来ならば15年前に更新が必要だったのだ。
制御室に入ると、旧式で時代遅れの機器でいっぱいだった。
一見すると平和そのものだ。
しかし、ウォルターがパネルを開けて少しいじると、温度計の針が急上昇する。
単にネジが緩んでいただけで、本当は高温状態が発生していたのだ・・・。
現在この原子炉には点検員が来るだけで、専門家は常駐していない。
ウォルターは、「コリンズをここへ。彼の知識で危機を回避できるかも」と言う。
コリンズとの確執
チームの雰囲気から何か変だと気付いたペイジが、「何があったの?」と聞く。
どうやら過去に、ウォルターはコリンズと一緒に何時間、何日も連続で仕事をし、飢え死にしそうになったらしい。
彼と一緒にいると、ウォルターは完全な「穴」に埋没してしまうという。
ペイジはウォルターに「みんな嫌がっている。あなたはいいの?もしかして懐かしいの?」と聞くと、「そうだ」という。
そこに、コリンズが手錠付きで入ってきた。
システムの更新手順を開始
コリンズは、「原子炉を制御しながらシステム更新の準備をする」という手順を示す。
システム更新の準備は、トビーとハッピーが担当することになった。
まず、システムを更新する前に、計器が正しい数値を示すように校正プログラムをダウンロードする必要がある。
すぐにダウンロードを始めようとするコリンズに、「機器が古いから、過度な負荷がかかる可能性がある。まず回路チェックをするべきだ」とハッピーが提案する。
ところがウォルターは、「ボクには彼女より知識がある」というコリンズの意見を聞いてしまう。
補助電源が爆発、放射能漏れ!
プライドが傷ついたハッピーは、ウォルターを呼び出す。
「今度、人前で私をバカにしたらチームから抜ける。死ぬ寸前のあんたを助けたのは私よ。もうたくさんだわ」。
校正プログラムのダウンロードが進む中、「回路チェックを同時にできるかも」とハッピーが自分の判断で回路チェックを始めた。
トビーが、不機嫌なハッピーに紙切れを渡す。「君を笑顔にすることが書いてあるから、後で見て」という。
すると突然、建物が大きく揺れた。補助電源が爆発したのだ。
「回路チェックで負荷がかかったからかも」と心配するハッピー。
放射能漏れの発生だ!すぐに退去しなければならない。
(Photo: IMDb)
「みんな逃げろ!」と指示するウォルター。 鉛の防護壁が次々に閉まっていく。
もう少しで完了するダウンロードを待ち、最後にウォルターとケイブが部屋から出るが、タッチの差でケイブだけが取り残されてしまう。
(Photo: IMDb)
ケイブを脱出させろ!
見取り図で脱出経路を確認しようとするが、機器が古く使い物にならない。
そうしている間にも、パイプが破損し放射能を含むガスが噴出している・・・。
コリンズは、「原子炉の水を排出する配水管がある。そこから海に出られる」という。
詳細な位置を調べるには、家のノートを見る必要がるという。そこで、コリンズ、ハッピー、ペイジの3人がコリンズと伴に家へと向かった。
ケイブ脱出成功!
コリンズの家に到着した3人。
ノートで確認し、「19Aチャンバーの第6パイプ、海岸まで90メートル」とペイジがウォルターに電話する。
ウォルターが音声でケイブに経路を指示をする。
ケイブがフタを開けると、水がごうごうと流れている。イチかバチかだ。
(Photo: IMDb)
「ウォルター、君と会えてよかった」というケイブに、「オーケー」というウォルター。
トビーは、「オーケーだけ?もっとましなこと言えよ」という。
ケイブは胸のポケットから娘の古い写真を取り出し、「すぐに会えるかもな」と言ってパイプに飛び込んだ。
(Photo: IMDb)
そして、ケイブは海から生還した。
(Photo: IMDb)
コリンズの言い分
校正プログラムのダウンロードは完了し、更新プログラムが転送中だ。
コリンズの家で待機しているコリンズ、ハッピー、ペイジ。
ハッピーは、トビーがくれた紙切れのことを思い出す。
開いてみると、「Made you look」(見たな!)と書いてある。ほほえむハッピー。
コリンズはペイジに過去のいきさつを話している。
壁には無数の数字が貼ってある。「ボクが生まれた日からの日数、母が生まれた日からの日数・・・」とコリンズが説明していく。
息子が天才であることをペイジが話すと、「ウォルターは、君の息子を通じて自分の幼少期を修復しようとしているんだ。だから息子を大事にするし、なついてるだろ?みんながウォルターのことを崇拝する。そして、彼に気に入られたら「自分は特別だ」って思うわけ。でもウォルターは、自分の期待に答えられない奴をすぐに捨てちゃうんだ。ボクもそんな実験台だった。彼に匹敵するIQを持っているからね。でも、期待に応えられなかったから捨てられたんだよ。君も同じさ。すぐに捨てられる。息子もね」と警告する。
ウォルターの言い分
原子炉でプログラムの修復にあたるウォルターは、ケイブに過去のいきさつを話している。
「3年前、コリンズを精神病院に入れたのはボクだ。それは、本人とチームのためだった。でも、自分のためでもあったんだ。彼といると穴に落ちる。そこは素晴らしい場所なんだけど、恐ろしい場所でもあるんだ。出られなくなるんじゃないかって」と。
ケイブは、「君は正しいことをしたんだ。奴は、君が悩むように仕向けていたんだ」というと、「それは奴の得意技だよ」と返すが、ウォルターはハッとする。
システムを調べると、20分前に手が加えられていた。補助電源の事故を引き起こしたのはコリンズだった。
ハッピーに、自分のせいだと思わせるために。
しかも、デジタルからアナログへの転送しかできない設定に変更されていたのだ。
これでは、更新プログラムを送信できない。送信にはアナログアンテナが必要だ。
軍の基地までは30分かかるが、そんな時間はない。
そこで、コリンズの家へと急行した。
メルトダウンまで3分しかない。
コリンズのアンテナで送信
コリンズの庭のアンテナは、暗証番号で保護されていた。
「番号を言え!」と迫るウォルターに、「951」(ヒッグス理論の誤りを見つけた日)や「1199」(量子学からタイムトラベルについて議論した日)など、思い出の数字を次々とあげていく。
堪忍袋の緒が切れたケイブが銃で脅す。
コリンズはウォルターに、「なんでこんなバカな奴らといるんだ?ボクは傷ついた。君との友情がなくなったときボクは死んだんだ。だから死ぬことは恐くない。チームに戻りたかっただけなのに」という。
メルトダウンまであと1分!
コリンズの言葉にヒントを得たペイジは、「彼がウォルターを失った日よ」と叫ぶ。それは、2012年8月22日だった。
暗証番号がばれてしまって取り乱し、シルヴェスターに向かっていくコリンズをケイブが撃つ。
暗証番号を入力するとアンテナは稼働し、無事に更新が完了した。
ウォルターとコリンズの別れ
幸いコリンズは軽傷で、すでに退院していた。
メルトダウンの危機を回避できたのに浮かない顔のウォルターにケイブが言う。
「過去に君たちの間で起こったことを、あれはあれでよかったんだ、と思いたかったんだろう。彼を信じてたってことだ」。
ウォルターが「ボクは罪悪感を感じてたってことだね」というと、「人間らしくていいじゃないか。進歩だよ」と返す。
ウォルターはコリンズが拘束されている部屋へ行く。
「やっと会えたのに捕まるなんて皮肉だな」というコリンズ。
「お前の限界を見せてやるためにわざわざ来たのに。お前は対処方法を誤った。ボクを危険にさらすことができなかったし、チームを守ってしまったじゃないか」。
するとウォルターは、「チームにはそれだけの価値がある」という。
コリンズは「はぁ?トビーとハッピーとシルヴェスターが?ボクの足元にも及ばないだろう。なぜ1人くらいチームのメンバーを増やしてくれなかったんだよ。1人くらいいいじゃないか」と問いかける。
ウォルターは、「そうだな。でもその1人はペイジだ。僕らをつなぎとめてくれる人だから」。
最後にコリンズは、「今はまた姿を消すが、必ず戻ってくるぞ。また穴の底で会おうぜ」というが、「それは遠慮するよ」とウォルターは去る。
ガレージでチキンピカタ
一件落着、ガレージに戻るチーム。
ウォルターがハッピーに「コリンズの件では、ボクを暗闇から助け出してくれてありがとう。お礼を言ってなかったね。もう裏切らないよ」という。
「友達だもん、もういいよ」とハッピー。
そして、「コリンズの前では、トビーってハッピーのことをやけにかばってたよね」と言われ、ほほえむハッピー。
ペイジがラルフを連れて入ってくる。手に荷物をたくさん持っている。
そしてチームに、「みんな!それぞれのプロジェクトに没頭中だろうけど、思考を止めてチキンピカタを作るわよ~」と呼びかける。
ウォルターに「ちょっといい?」と、「私がチームで役に立たなければ捨てられても仕方ないと思う。でも、ラルフのことは傷つけないで欲しい」という。
ウォルターはもちろん、「君はチームになくてはならない存在だよ」という。
そして、「エキストラバージンオイルって偽物が多いんだよ」なんていうトビーのうんちくを聞きながら、チキンピカタの料理が始まった。
スポンサーリンク
ちょっとした感想
コリンズのエピソードって、チームにとっては「反論すると、同意するまで論破しようとする」とか「心理戦で操ろうとする」くらいでしたよね。
チーム全員が本当に毛嫌いしていたので、「あ~、そりゃないよねぇ」と思わせるような強烈なエピソードが欲しいところでした。
それにしても、
Maybe I’ll see you back down the rabbit hole, Walter.
また穴の底で会おうぜ、ウォルター
と言っていますから、後のエピソードでも登場するのかもしれません。
音楽/サウンドトラック/挿入歌
このエピソードのタイトルについて解説しています。「SCORPION/スコーピオン」シーズン1第5話のタイトル:プルトニウムと冥王星をどうぞ!
『SCORPION/スコーピオン』に関する記事一覧はこちら:
スポンサーリンク